Orange Blossom Special(オレンジ・ブロッサム・スペシャル)

Orange Blossom Special (オレンジ・ブロッサム・スペシャル)

学生時代、友人にバンジョーを貰ったことがあります。おまけは教則本と「フォギーマウンテンブレイクダウン」と「オレンジ・ブロッサム・スペシャル」のレコード。

オレンジ・ブロッサム・スペシャルの由来

O君はレコードを指して「この辺りから入れば良いよ!」と云ったのですが、私はバンジョーで「ジャンバラヤ」をつま弾く程度にはなりましたが、「フォギーマウンテンブレイクダウン」には歯が立ちませんでした。
さて、そのオレンジ・ブロッサム・スペシャル(Orange Blossom Special)は、シーボード・エア・ライン鉄道(Seaboard Air Line Railroad、略称SAL)が1925年11月21日から1953年4月26日まで、冬季のみ運行していたニューヨークからマイアミへの路線を走る、世界で初めてエアコンが付いた最高級の列車です。その編成は当初、蒸気機関車による牽引でしたが、1939年には3両ユニットのディーゼル機関車が牽引し、荷物車1両、寝台車6両、座席車7両、食堂車2両、展望車1両などという豪華な編成例になっていました。
ニューヨークからマイアミからまでの1372マイル(約2200km/直線距離に直すと青森から沖縄の那覇に相当)を11の州をまたいで30時間(1941年には24時間)で突っ走っていました。ちなみに、ニューヨークとマイアミの緯度は、青森と沖縄に近いので、青森から沖縄へ直行のリゾート特急といったところです。この年1925年(大正14年)の11月1日に日本では、山手線がようやく環状につながって運転を始め時代なので、冬のニューヨークからオレンジ・ブロッサム・スペシャルに乗って暖かいマイアミに避寒に行く人達は憧れの的だったようです。

新型列車に感動して作曲

そして、1938年にはディーゼル機関車牽引の新型列車を見たErvin T. Rouse(1917–1981年)がこの列車をテーマにした曲「Orange Blossom Special」を作り、その後も多くのアーティストがこの曲を演奏したことで、鉄道の「Orange Blossom Special」もさらに有名になりました。
それからも音楽の「Orange Blossom Special」は「Johnny Cash」が歌ったり、「JAMES LAST」オーケストラの定番曲になったりして、列車の「Orange Blossom Special」がなくなった今でもスタンダードナンバーとなっています。カントリーやブルーグラスの好きな人にはフィドル(パイオリンのブリッジが角張っている)の早弾き曲としても知られていますが、ジャンルを超えて学生の演奏やダンスソングとしてもしばしば使われています。

伝説のフィドルの名手Stonemansによる「Orange Blossom Special」にバンジョーの早弾き曲「Foggy Mountain Breakdown」をフューチャーした「Orange Blossom Breakdown」

ARIA バンジョー SB-40
ARIA バンジョー SB-40
■トップ:REMO Banjo Head ■リム:Mahogany ■レゾネーター:Mahogany ■ネック:マホガニー ■指板:オバンコール ■ハードウェア:クローム ■ハードケース付

Hot Club Of Cowtown 2009年のフォークフェスティバルからお届けするのは、元気なベースとのイントロから始まり、どんどん暴走を始めるご機嫌なオレンジ・ブロッサム・スペシャルです。

Orange Blossom Special by Fiddlin

Guitar Boogie でお馴染みのArthur Smith が演奏しています。

Orange Blossom Special Bluegrass Dobro

オレンジ・ブロッサム・スペシャルと言えば「フィドル」ですが、こちらはドブロギターを使ったボトルネック奏法による「Orange Blossom Special」です。

Don Rich and the Buckaroos – Orange Blossom Special

軽快なクローズハイハットのリズムとスチールギターのまろやかなメロディをバックにフィドルが冴えてます。

TRACY HEASTON @ SILVER DOLLAR CITY / “ORANGE BLOSSOM SPECIAL”

フィドルの早弾きをピアノで演るとどうなるか、トレーシーヒーストンが見せるピアノの早弾きです。
オレンジ・ブロッサム・スペシャルと言えば、途中からテンポアップしていくのがお約束になていますが、トレーシーは最初から飛ばします。どうなるかと思えば、まさに「ドラミングピアノ」、トレーシーはドラムも叩きます。

Ervin T. Rouse – Orange Blossom Special

ハンガリーのバイオリニストでもありシンガーでもある「Katica Illenyi」さんによる、ちょっとお洒落なオレンジ・ブロッサム・スペシャルです。もう一人のバイオリニストは弟の「Csaba Illenyi」さん。フィドルは枯れた音がするんですが、バイオリンの音色は艶があります。サイトは「http://www.katicaillenyi.com」。
クラシックファンにはブルーグラスやカントリー・アンド・ウェスタンを好まない人も多いのですが、バイオリニストにとって「オレンジ・ブロッサム・スペシャル」は音楽のジャンルに関係なく演奏されている曲なのです。

Boisset les Prévanches – 5 août 2011

Orange Blossom Specialはフィドルと並んでブルースハープで演奏されることも多い曲です。若手女性ハーモニスト「ラシェル・プラ(RACHELLE PLAS)」による「Orange Blossom Special」です。

Hammered Dulcimers(ハンマー(ド)ダルシマー)による「Orange Blossom Special」です。

ダルシマーはピアノやハープシコード(チェンバロ)のようなフレームに金属弦を張った楽器で、「ハンマーダルシマー」はこのダルシマーを「小さい孫の手」のようなスティックで叩いて演奏します。「Kendra Ward」さんと「Bob Bence」のサイトは「http://www.dulcimertimes.com/」

ブルーグラスの父と言われるビル・モンロー率いるブルーグラス・ボーイズ(Blue Grass Boys)メンバーで、フィドル担当のチャビー・ワイズ(1915年10月2日~1996年1月6日)と、カントリー・ギタリストのロイ・クラークによる「Orange Blossom Special」

ちなみに、音楽の「ブルーグラス」は「ブルーグラス・ボーイズ」に由来しています。