barは小節
学生時代に当時はPA屋さんと言われていた処で音響設営のアルバイトをしていたことがあります。仕事の大半はアルテックやジブランのウーハーの運搬ですが、フォステックスの自作スピーカーでレコードを聴いていた私にとっては生音との差を聴けたり、マイクのセッティングやミキサー周辺の接続が分かるだけでも嬉しい仕事でした。あるとき、リハーサルをしているバンドの一人がそこはフォーバースで回そうと言っているのを耳にし、後で先輩に聞くとアドリブを4小節づつ順番に演奏するという意味だと知りました。
さて前振りが長くなりましたが、この曲の魅力は歌詞が洒落っ気タップリで粋なことです。
歌詞に出てくる「two bars」は二小節のことで、歌詞を勝手に意訳させていただくと、
全くもって、往き急いで恋に落っこちるなんざぁ、うっかりも甚だしい。
ど奴も此奴も、スターダストの二小節も聴かせてやれば、コロッと嵌っちまう。
という具合でしょうか。
果たしてどんなシチュエーションなら、スターダストの二小節で恋に落ちれるのか知りたいものですが、それなりの人でないと肘鉄を食らうのがオチなんでしょうね。
曲名 | Fools Fall in love |
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発表 | 1957年 |
作曲 | Mike Stoller |
作詞 | Jerry Leiber |
英国BBC Radio 2の番組「Live on ‘Weekend Wogan’」からElio Paceのピアノとボーカルで
beamsは梁と光線に引っ掛け語
この曲のオリジナルは元祖デュワップ、米国の本家「ザ・ドリフターズ」、カバーもプレスリーを始め米国スター目白押しで、ソフトなバージョンとしてはJacky Ward のものが代表的ですが、欧州ではあまり演奏されていないのはなぜでしょうか。二番の歌詞に出てくるbeamsは日本ではセクシービームなど光線に意味にとられることが多いのですが、建造物では柱と水平に交わる梁(はり)を表しているので、両方に掛けたシャレた歌詞なのです。
意訳すると、
何てこったい、虹を梁にして、愛の巣を造り始めちまったよ。
と言う感じです。